【会社設立・移転】本店はどこにする?所在地はどこまで記載?

  • 「会社を作りたいけれど、本店所在地ってどこにすればいいの?」
  • 「自宅でも大丈夫?それともオフィスを借りるべき?」

 会社設立や本店移転を考える多くの方が直面するこの疑問。実は、会社の本店所在地選びは、事業の運営や信用度、さらには銀行口座の開設しやすさにも大きく関わる非常に重要な決定です。

会社のイラスト

 安易に決めてしまうと、

  • 法人口座が開設しにくい
  • 重要な通知が届かない
  • 社会的な信用が得にくい

といった思わぬ落とし穴にはまることも。

 この記事では、司法書士法人槐事務所が、なぜ本店選びがそれほど重要なのか、どんな選択肢があり、それぞれにどのようなメリット・デメリットがあるのか、そして登記の際に絶対に押さえておくべき注意点について、具体的に解説します。

なぜそんなに重要?会社の本店所在地が持つ役割と影響

 まず、なぜ会社の本店所在地が重要なのか、その役割と影響を見ていきましょう。

  • 法律上の「顔」となる住所:本店は、税務署や法務局などからの公的な書類が送られてくる、会社の法律上の正式な住所です。
  • 納税地や許認可の基準に:法人税の納税地になったり、業種によっては許認可の取得要件に関わったりします。
  • 郵便物が届かないと大問題!:重要な通知や契約書などを見逃せば、経営に深刻な影響が出ることも。確実に郵便物を受け取れる場所でなければなりません。
  • 会社の信用度を左右する:本店所在地は、取引先や金融機関があなたの会社を評価する際の一つの指標にもなります。
  • 銀行口座開設への影響:特に、本店所在地の種類によっては、法人名義の銀行口座の開設審査に影響が出ることがあります。

 このように、本店所在地は会社運営の根幹に関わるため、慎重な選択が求められるのです。

あなたの会社に最適の本店は?4つの選択肢を比較!

 では、具体的にどのような場所を本店にできるのでしょうか?主な4つの選択肢と、それぞれのメリット・デメリット(特に法人名義の銀行口座の開設のしやすさプライバシーの観点)を比較しました。

選択肢メリットデメリット
① 自宅・家賃コストを抑えられる
・通勤不要
・自宅住所が公開される(プライバシー)
・来客対応が難しい場合がある
法人名義の銀行口座開設の審査が厳しくなることがある
・住宅ローン控除等に影響の可能性も
② 賃貸物件
(テナント・マンション等)
・事業用としての信頼性は比較的ある
・プライバシー確保
法人名義の銀行口座開設が比較的スムーズ
・賃料、保証金・敷金・礼金等のコスト
・マンション等は法人登記が不可の物件もある
③ 自己所有不動産・賃料不要
・自由度が高い
・社会的信用度が高い
・固定資産税等の維持費
・移転が容易ではない
④ レンタルオフィス・バーチャルオフィス・低コストで都心の一等地に本店を置ける場合も
・会議室等の共用施設が利用可能な場合も
銀行によっては法人口座開設が難しい場合がある
・一部許認可が取得不可の場合がある
・郵便物受取にタイムラグが生じることも
・実体がないことへの信用面での懸念

 ご自身の事業内容、予算、将来の展望などを考慮し、最適な場所を選びましょう。特にレンタルオフィスやバーチャルオフィスを利用する場合は、事前に銀行口座開設の可否や許認可要件を確認することが不可欠です。

知らないと損をする!本店所在地の登記ルールと注意点

 本店所在地が決まったら、次は定款への記載と法務局への登記です。ここには守るべきルールがあり、間違えると後々面倒なことになる可能性も。

定款への記載ルール

  • 最小行政区画まででOK:例「東京都多摩市」「東京都新宿区」。これに対し「東京都」だけではNGです。
  • 詳細な住所まで記載も可能:例「東京都多摩市鶴牧一丁目3番地の10 シティハウス多摩207」。ただし、本店を同一マンション内で移転する際も、定款変更の手続きが必要です。

登記の記載ルール

  • 住居表示を実施していない地域は番地(枝番を含む)まで記載する:
    • 例:「東京都多摩市鶴牧一丁目3番地の10」
    • 建物名や部屋番号(方書)の記載は任意ですが、郵便物のためには記載を推奨します。
  • 住居表示実施地区は住居番号まで記載
    • 例:「東京都新宿区西新宿二丁目8番1号」東京都庁の所在地で、住居表示実施地区の例です。

司法書士が見た!ちょっと困った本店の登記の記載(要注意!)

 私たち司法書士が過去に目にした、注意が必要な登記の記載をご紹介します。

  • 正しい表記例(仮):東京都多摩市鶴牧一丁目3番地の10 シティハウス多摩207
  • 要注意な登記例
    • 簡略表記:「東京都多摩市鶴牧1-3-10」など。だめではないですが、会社が不動産を所有する場合など、不動産登記の際にそのままを記載せざるを得ません。不動産登記を申請する際に、新しい名義人の住所・本店は公的書面を添付し、登記官が確認するためです。
    • 住居表示未実施地区での住居表示風表記:「東京都多摩市鶴牧一丁目3番10-207号」など。公的書類と実態が異なると混乱の元です。
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【絶対NG!】実態のない場所への登記

 廃ビルや架空の住所など。法務局は原則実地調査をしないため、登記ができてしまいますが、このような登記は会社の信用を著しく損ない、銀行口座開設拒否や法的トラブルのリスクを招きます。

 正確な登記は、会社の信頼の基盤です。

正確な登記は専門家におまかせください!司法書士法人槐事務所のサポート

 私たち司法書士法人槐事務所では、会社の設立登記をはじめとする各種商業登記手続きにおいて、お客様からいただいた情報に基づき、忠実かつ正確な申請を何よりも重視しています。

 会社が不動産取引を行う際の不動産登記においても、商業登記簿に記載された本店所在地は正確に反映されなければなりません。私たちは、これらの手続きがスムーズに進むよう、細心の注意を払ってサポートいたします。

まとめ:会社の本店、迷ったらご相談ください!

相談中のイラスト

 会社の本店所在地選びと、その正確な登記は、重要な手続きです。選択を誤ると、後々の事業展開に思わぬ影響が出かねません。

  • 「どの選択肢が自社に合っているのだろう?」
  • 「登記の仕方が複雑でよくわからない…」

  そんな不安やお悩みをお持ちでしたら、どうぞお気軽に私たち司法書士法人槐事務所にご相談ください。 お客様一人ひとりの状況に合わせ、本店所在地の選定アドバイスから、ミスのない正確な登記手続きまで、責任を持ってサポートさせていただきます。

 初回のご相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせいただき、あなたの疑問や不安をお聞かせください。

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