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  • 「会社の事業内容を新しくしたい」
  • 「取引先や銀行からの信用を高めたい」

 そうお考えの経営者の方、会社の「目的」変更手続きは済んでいますか?

 実は、この「目的」の変更を怠ると、融資が受けられなかったり、新しい事業に必要な許認可が下りなかったり、最悪の場合、株主から事業の差し止めを求められるなど、思わぬところで事業の足かせになることがあります。

 今回は、会社の「目的」とは何か、なぜ変更が必要なのか、そしてその手続きについて、司法書士が分かりやすく解説します。

そもそも会社の「目的」とは?

 会社の「目的」とは、その会社が「どんな事業を行うのか」を具体的に示したものです。 会社の憲法とも言える「定款(ていかん)」に必ず記載され、法務局で登記もされるため、会社の顔であり、社会的な信用の基礎となる非常に重要な情報です。

 例えば、

  • 「飲食店の経営」
  • 「ソフトウェアの開発・販売」
  • 「コンサルティング業務」

といったように記載されます。

なぜ「目的」の確認・変更が重要なの?4つのポイント

では、なぜこの「目的」がそれほど重要なのでしょうか。大きく分けて4つの理由があります。

  1. 取引先、特に金融機関は「目的」を必ずチェックする! 金融機関が法人口座の開設や融資の審査を行う際、会社の「目的」と実際の事業内容が一致しているか、将来性があるかなどを厳しくチェックします。 定款や登記簿に記載された「目的」と、行っている事業やこれから行いたい事業がかけ離れていると、「事業実態が不透明」「計画性がない」と判断され、口座開設を断られたり、融資を受けられなかったりする可能性があります。
  2. 「目的」に記載がない事業は原則NG!信用問題にも発展 会社は、定款の「目的」に記載された範囲内でしか事業を行うことができません。 もし「目的」にない事業を勝手に行ってしまうと、その事業活動の法的な有効性が問題になるだけでなく、取引先からの信用を失うことにも繋がりかねません。
  3. 【重要】株主から事業の「待った!」がかかることも(株主の差止請求権) 会社の「目的」に書かれていない事業を会社が行おうとしたり、既に行っていたりする場合、会社のオーナーである株主から、「その事業はやめてください!」と事業の差し止めを請求される(差止請求)リスクがあります。 これは、会社が定款で定めた目的の範囲を逸脱した事業を行うことで、出資者である株主の利益が損なわれるのを防ぐために、株主に認められた権利です。実際にこの差止請求が裁判所によって認められると、会社はその事業を行うことができなくなってしまいます。
  4. 許認可が必要な事業では「目的」記載が必須条件の場合も! 建設業、飲食業、宅地建物取引業など、特定の事業を始めるには国や都道府県の許認可が必要です。 この許認可を取得する際、定款の「目的」にその事業がきちんと記載されていることが申請の前提条件となっているケースが非常に多くあります。記載がなければ、許認可手続きを進めることすらできません。

こんなケースも要注意!目的を広く書きすぎると…

 「将来どんな事業をするか分からないから、できるだけ幅広く書いておこう」と考える方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、あまりにも多くの事業目的を羅列したり、抽象的すぎる表現を用いたりすると、「結局何をしている会社なのか分からない」と外部からの信用を得にくくなることがあります。会社の専門性や強みが伝わりにくくなってしまうのです。

「目的変更」の手続きとは?

 会社の事業内容に変更があったり、新しい事業を始めたりする場合、「目的」を変更する手続きが必要です。主な流れは以下の通りです。

  1. 定款(ていかん)の変更が必要 会社の「目的」は定款に記載されているため、まずは定款そのものを変更する必要があります。
  2. 株主総会の「特別決議」で承認を得る 定款の変更は会社にとって非常に重要な決定事項なので、株主総会での「特別決議」という、より厳格な手続きで承認を得なければなりません。 (特別決議とは、原則として、議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要な決議のことです。)
  3. 法務局へ変更登記を申請する 株主総会で定款変更が承認されたら、2週間以内に法務局へ「目的変更」の登記申請を行います。この登記が完了して初めて、変更後の「目的」が法的に有効となります。

面倒な手続きは専門家にお任せください!

 ここまで読んで、「手続きが複雑そう…」「自分でできるか不安…」と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 会社の目的変更手続きには、株主総会議事録の作成や登記申請書類の準備など、専門的な知識が求められます。書類に不備があれば、何度も法務局に足を運ぶことになりかねません。

 そんな時は、私たち司法書士にご相談ください!

 司法書士は、定款変更や登記申請のプロフェッショナルです。 ご依頼いただくことで、

  • 面倒な書類作成や申請手続きを代行し、お客様の時間と手間を大幅に削減します。
  • 法律に基づいた正確な手続きで、スムーズな目的変更を実現します。
  • お客様の事業内容や将来の展望をヒアリングし、最適な「目的」の記載方法をアドバイスします。

 会社の「目的」は、事業の成長に合わせて見直していくことが大切です。

  • 「そろそろ新しい事業を…」
  • 「融資を考えているけど、今の目的で大丈夫?」

など、少しでも気になることがあれば、司法書士法人槐事務所(えんじゅじむしょ)にお任せください。 お客様の状況に合わせた最適なサポートをご提供いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。

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